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それは、いつからかしっかりと、二人の間に横たわっていた。
眠っていると油断して触れたら噛みついてくる獰猛な生き物のようでもあり、
日陰に身を隠して咲く目立たない草の花のようでもあり、
まばゆさゆえに目を逸らさずにはおれない恒星のようでもあった。
「・・・さん」
「ぅん? どうした?」
「…………。なんでもない」
可笑しな奴、と笑いながら書き物を再開する男の指先を、彼はじっと見つめつづける。
互いに、言葉にはしない。
態度にも表さない。
視線に乗せることすら禁忌だ。
二人の間に冷たく闇く横たわりつづけて、二人が交わるのを阻むもの。
けれどその存在によって二人を、より強く繋ぎ合わせているもの。
それが、恋という名の秘密であった。
07/06/ (金) 00:00|
箱庭(小説)
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